特に支持する政党がない人の場合、選挙が来ると、各政党の政策というのを考えますよね。私も特に支持する政党がないので、選挙が来ると、投票する先を決めるために、各政党の政策を考えたりしていました。
これはどれぐらい意味があるのか。こういうことは誰もあまり考えませんが、最近、いろいろな政治家と接触するようになって、次第にわかってきました。
各党の政策というのは、考えてもあまり意味がありません。なぜかと言うと、政党の政策というのは、その政党に所属する人が決めるので、人が変われば、政策も変わるからです。さらにもっと言うと、その政党に所属する政治家を支援する人によっても、政策が変わります。
政治家の政策というのは、その政治家と接触のある人の意見によりかなり左右されます。偉大な政治家なら、いろいろなことに詳しく、確固とした独自の見解を持っているかもしれませんが、一般の政治家は、かなり無知で、それ故、確固とした見解は持っていません。つまり、何か見解を持っていたとしても、根拠があまりありません。
「こんな話を聞いたことがある。だから、こうするのが正しい。」とか、「テレビでこう言っていた。だから、こうするのが正しい。」とか、こういうレベルで自分の見解を形成しているのです。つまり、自分自身で深く調べた結果に基づく見解ではなく、上っ面だけの見聞による憶測に基づいた判断しかしていません。
たとえば、「風鈴を聞くと頭がよくなる」というテレビ番組を見て、「そうだ。学校に風鈴を置こう。」と考えて、議会に「学校に風鈴を設置させる」という「風鈴設置法案」を提出するようなものです(笑)。もしこのが、教育心理学者などの教育関係の学者なら、「はあ?」と疑問に思うでしょうが、そのテレビ番組の内容を他のたくさんある研究と比較して、信憑性を考えることができない普通の人の場合、こんなことをやってしまいかねません。しかし、政治家のほとんどは、この普通の人のレベルでしかありません。
だから、政治家周辺の人が政治家に言う言葉に踊らされることになります。政治家の周辺にいて、政治家に意見を言う人には、大抵は何らかの魂胆がありますので、非常に危険です。自分の私的な利益のためにやっていたら、最悪です。善意の人ならいいのですが、それは恐らく少数派です。
だいたい、ほとんどの人は、あくせく働かないと生きていけませんから、何の利益にもならない善意の活動というのは、あまりできません。政治家に物を言うのは、時間と労力が大変かかります。だから、これがお金にならないのなら、やる人はほとんどいません。たいていの人は、政治家に意見するのが、自分の利益になるからやっていると断言してもいいです。つまり、ビジネスとして成立しているのです。
政治家の後ろにいるのが、業界団体や企業だったりすれば、馬鹿でも、利益のためにやっていることがわかります。それ以外でも、宗教団体なども政治家の後ろにいますが、それも利益のためです。宗教というのは意外とビジネスなのです。歴史を見ても明らかです。しかし、残念ながら、そういう観点を持っている人は少ないです。
政治家の周辺にたむろしている人たちの中で、本当に善意で活動している無私な人はいったいどれだけいるのでしょうか?ほとんどいないのではないかという気がします。政治家にいちいち善意のアドバイスをしていると、生活できなくなりますからね。
そういう政治家のあやふやな意見を反映したのが各党の政策であり、元になった政治家の意見なんていつ変わるかわかったものではありません。しかも、その上、常に政治家の出入りもあります。そう考えると、政党の政策なんて考えても、ほとんど意味がないことがわかります。
もし考えるのなら、立候補した政治家の政策です。こちらの方が政党の政策よりも、安定していると言えます。しかし、それも前述のように、いつ変わるかわかりません。しかし、性格や信条のようなものは滅多に変わらないので、その人と直に接触して、その人を直接知るのが一番よいと思います。ただ、これは私たち有権者にとっても、政治家にとっても、大変難しいことです。
せめて政治家の人にはブログで自分の意見や考え方を表明してほしいものです。そうすれば、私たちも判断しやすいです。